不動産特定共同事業商品とは
不動産特定共同事業商品は投資家が出資等を行い、商品を扱う業者が事業主体となって 現物不動産取引により運用し 収益を分配するスキームです。
平たく言えば、何億もする不動産物件を一人で投資するのは資金的にもリスクの大きさでも躊躇するであろう。その資金とリスクを複数の投資家で小口化・分散化することによって投資しやすくした商品だと言えます。
例えば10億円の投資物件を 1口500万円で200口に小口化して投資を募集し、その物件を運用して賃貸収入から経費等を差引いた運用収益を分配する形です。(イメージです。実際には投資物件価額と投資募集合計額が同額とは限りません。)
過去には不動産小口商品による投資家被害が続出したこともあり 不動産特定共同事業法が法整備された経緯があります。現在では不動産特定共同事業法に基づく商品を扱える事業主は一定の許可要件を満たしている必要がある為、以前のようなリスクは低くなっていると言えます。
メリット・デメリット
投資商品ですので、メリットとデメリットが当然のようにあります。
・メリット
・東京都心部などの収益性が高い物件を1棟もしくは1室所有しようとした場合、多額の資金を必要とするが 小口化により少額での投資が可能となる。
・マンションの1室を区分所有で投資をする場合、その1室が空室となれば物件からの収入が空室期間無くなるが、1棟での収入を投資額に応じて按分するので何室が空室が出たとしても収入(配当)がゼロになることが無い。
・相続税対策として評価額を下げる効果が見込まれる。
・デメリット
・リスクを複数投資家で分散させる為、想定利率が低い場合が多い。(配当 2%~3%前後)
・1棟・1室を購入して運用するマンション投資の場合ローンを組んで投資をすることも可能だが、投資額を現金で用意する必要がある。
・銀行預金とは異なり元本保証ではない。対象不動産物件の価額が下落した際には運用期間終了時の売却分配額が出資元本額を下回ることがある。
・途中での現金化が出来ない商品もある
まとめ
不動産特定共同事業商品は、不動産投資の一つであり 投資と付く以上はリスクは避けられません。
しかしながら、不動産という現物資産を運用する点において株式投資や外貨投資と比較すると一般的にリスクは低いと言われています。
500万円投資に対し運用終了時の清算分配金が350万円だった場合、150万円減少で元本割れとなります。
しかし、500万円の投資による年利3%配当を15年間受け取ると配当合計額は225万円になり、15年間で500万円が575万円となったとも言えます。
投資と言われる物には、定期預金もあれば株式投資、債券投資、貴金属、FX、投資信託、不動産投資といろいろとあります。値上がり期待の骨董品収集も投資と言えるでしょう。沢山ある投資はそれぞれ、ローリスクローリターン、ハイリスクハイリターン、ミドルリスクミドルリターンその他諸々の性格を持って存在しております。
数ある投資商品の中で自分に合ったものを見つけてすることが一番良い投資方法だと思います。
不動産投資にしても色々な商品が存在していますので、メリットデメリットを把握し比較検討して ご自分に合ったものを見つけ納得して行うことが1番だと思います。
不動産小口投資商品も数ある選択肢の一つとして検討候補に入れてみるのも良いのではないでしょうか。