都心の不動産小口投資で気になる物件がありましたので、ちょっとご紹介させて頂きます。
具体的な物件名でのご紹介ではなく、近似した2件の物件で一方は小口投資物件でもう一方が分譲マンションとなっております。
この2物件は、立地や規模がとても似ていて比較するのに面白いと思った物件です。
物件概要
小口投資物件
商業地域 防火地区 宅地
道路幅員:北側11m
建ぺい率 80% 容積率 600%
敷地面積 約175㎡ 建築面積 約114㎡ 延床面積 約1260㎡
鉄筋コンクリート造 地上12階建
小口投資物件は、2階~12階まで 各階3部屋(1R・1K・1DK)で 賃料1フロア当たり 平均43万6千円
33室合計で 月額賃料 約480万円 管理費 約46万円
1口 100万円 募集口数 1400口(募集総額14億円 出資は5口 500万円から)
分配利回り(年) 2.9%(予定) 運用期間 15年
分譲マンション
商業地域 防火地区 宅地
道路幅員:北側11m
建ぺい率 100% 容積率 680%
敷地面積 約183㎡ 建築面積 約123㎡ 延床面積 約1306㎡
鉄筋コンクリート造 地上12階建
分譲マンションは、1階に貸店舗 2階~12階まで 各階2部屋(専有面積 約45㎡と約48㎡)で 1部屋5000万円前後
仮に1棟を購入するとしても 12億円程度だと想定できます。
収益性
小口投資物件
分配金を利回り年2.9%で計算すると 14億☓0.029=4060万円
家賃収入は 480万円✕12か月=5760万円
管理費は 46万円✕12か月=552万円
家賃収入の約7割が分配金に充てられ、残り1700万円は管理運営費や空室リスク対応分ほかと考えられる。
管理費は物件の共用部に関するメンテナンス費用や電気代や水道料などに使われる。
また購入時の登録免許税や登記に関わる司法書士報酬などは別途必要になると思われるが、毎年の固定資産税・都市計画税や物件への損害保険料の負担の有無によっても実質利回りが変動するので確認が必要だろう。
また賃貸募集時の礼金の扱いなど 細かい点で気になる部分が多々あるが、収益性を左右するのは運用期間後の物件清算の金額によるところが大きい。
売却先の選定や算出方法など何か考えられている予定があるのであれば、説明してもらった方が良いでしょう。
分譲マンション
一室5000万円を購入した場合
想定賃料22万 管理費1.5万円とした場合
年間収入23.5万円✕12か月=282万円
管理費と修繕積立金等支出 月2万円✕12か月=24万円
単純差引で年間258万円のプラス ここから固定資産税・都市計画税や保険料、入居募集時手数料や空室リスクへの備え、専有部分のメンテナンス費用などを捻出する必要が出てきます。
また、分譲マンションを購入した場合 運用期間の縛りは特に無いので 売却時期や保有期間は所有者が決められることになります。
価格が高騰したので売りたいと思ったら売却することも可能になってきますし、賃貸需要と賃料を鑑みて保有して賃貸に出した方が良いと思えばそれも可能となります。
まとめ
小口投資物件・分譲マンション それぞれにメリット・デメリットがあります。
小口投資物件は マンション一棟や一室での投資と比較すると 少額での投資が可能です。
しかし、利回り面で考えるとそう高い物は望めませんし 手持ちの資金での投資となります。(ローン利息を払ってまでする利回りが無い、また担保価値が認められない場合が多いのでローンが組めないなどの理由で)
マンション一棟や一室での投資の場合、多額の資金が必要となってきます。
また、一室での投資の場合は特にですが 空室リスクにも対応する必要があります。
一棟での投資の場合は管理をどうするのか、自主管理で対応するにしても業者への手配、入退去やクレームの対応などなど時間と手間が掛かります。
外部委託すれば、当然費用が発生することになります。
特に一室での投資場合、所有物件が何らかの事由で事故物件となってしまった場合に空室が続いたり、賃料が下がってしまうリスクもあります。
小口投資の場合には、そのリスクは投資割合で分散して負担することになる為、特定の投資者に偏ることが無くなります。
不動産投資を行う目的にもいろいろあり、例えば 相続税対策としてのものであったり 将来の年金の足しにと考えるものや生命保険代わりとしてと 目的も様々である。
手持ち現金の相続税対策として、評価額を減ることを期待して不動産投資を考えた時、複数の相続人がいる場合不動産の分配でもめたり、手続きが面倒であったりする懸念がある。そのような場合、小口投資は1つの有効な手段と言えるでしょう。不動産投資と言ってもすでに小口化されている為、不動産物件の分配方法や処分方法を協議するのではなく、投資口数をどう相続処理するかだけの問題となるからである。
将来の年金の足しにと考えた場合、長期保有そして利回りが条件となるし、生命保険代わりにと考えるのであれば それらに加えてローン金利も条件に加えて総合的に判断することになるでしょう。
投資ですから、ローリスクローリターンのものからハイリスクハイリターンのもの その他諸々ある訳ですから、その中から自分のニーズや状況にあったものを選ぶことが重要になってきます。
最後になりますが、ノーリスクハイリターンの投資案件は存在しないと考えた方が良いでしょう。
そのような謳い文句で紹介された案件に遭遇した場合は、良く内容を吟味することをお薦めします。
因みに私がそのような謳い文句で誘われた場合、秒速でお断りしております。