一棟(アパート・マンション)

スマートデイズ かぼちゃの馬車 破綻が与える影響

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4月9日 女性専用シェアハウス かぼちゃの馬車を運営していたスマートデイズ(東京都中央区)が民事再生手続開始申立てを東京地方裁判所に提出し、受理されました。

スマートデイズ破綻が与える影響

破綻したスキーム

30年定額家賃保証

空室リスクに対応した回避スキームとしてサブリース・家賃保証がある。
家賃保証に関しては 他社のアパート・マンション投資商品でも 度々問題となっている。
全額支払い停止は滅多にないが、保証家賃の減額はよく耳にする話である。
家賃保証システム自体を否定する気はないが、本来は保険的システムとして存在するもので、複数のオーナーが参加してリスクを低減するものだと考えます。
家賃収入をローン返済に充てているオーナーにとって空室は最大のリスクといっても過言ではないだろう、ましては2ヶ月、3ヶ月 それ以上の期間空室となることも考えられる。その間の返済額を自己の財産から持ち出せるオーナーなら耐えられるが、そうではないオーナーが多いのは簡単に想像できる。
本来の家賃保証システムは、複数のオーナーが少しずつ保証料を負担して空室が出たオーナーを救済する相互扶助システムであるべきです。
当然、適正な運用がなされなければシステム自体破綻します。全体の空室率が高ければ、保証料では補填できなくなります。スマートデイズさんの事例はこれにあたります。

物件を建て続ける

企業が永続することを目的に営業活動することは当然の事です。
しかし、売れないものを作り続けることは 企業活動にとってマイナス方向の行動です。
適正価格以上の値段でシェアハウスを受注できれば利益が出ます。その利益で家賃保証の不足分を補填出来れば、家賃保証システムは破綻しないで済みます。しかしながら、新規物件を建設すれば利益が出ますが新たな家賃保証もしなくてはなりません。つまりは物件を受注して建て続けない限り、どこかで破綻してしまう構造が浮き上がってきます。
シェアハウス建設は受注すれば一時的に利益が出ますが、30年家賃保証を考えれば全体としてはマイナスとなる商品なのでしょう。損の先送りが出来なくなった時点でシステムは破綻します。

スマートデイズ破綻により明らかになること

高額な物件購入金額

今回のシェアハウス投資の破綻において、物件購入額が市場価格をはるかに上回る高額となっていることが明らかになって来るでしょう。
アパート・マンション投資における物件購入価額の適正額はいくらか、これがクローズアップされれば、他社が勧誘する不動産投資案件でも消費者側は内容を聞いたり、調査したりするでしょう。

物件の採算性

物件自体の採算性についても今まで以上に重要視されるでしょう。
家賃保証があれば、たとえ空室が発生したとしてもオーナーは損しない。
前述の通り、本来の家賃保証は複数オーナーの相互扶助によるリスク分散であるべきです。つまりは、それぞれの物件自体の採算性は高くあるのが理想です。採算性の悪い物件ばかりでは、相互扶助のシステムが成り立ちません。
採算性の悪い物件を家賃保証システムを餌に販売するような会社は、他のオーナーにリスクを負担させているのと同じです。度が過ぎると、システム崩壊を招きますので、安易に家賃保証システムがあるからと勧める会社には要注意です。
どんなに採算性の良い物件でも入居者が退去して、清掃や補修等をすれば 次の入居までに空室期間が発生します。稀に何ヶ月も空室が発生してしまうことがあるが基本的には空室はほぼ無し、そのような物件オーナーの集まりにおいて家賃保証システムは健全に運営されるものです。

まとめ

・30年定額家賃保証は難しい
高収益物件オーナーだけで家賃保証システムが構築できているならば、相互扶助が有効に発動されるが、現状そして30年後までそれを保証するのは難しい。
・家賃保証システムを保つために、新規物件を受注しその利益を補填するスキームとなっている場合がある。この場合は建て続けられなければ、いずれ破綻を迎える。
・物件の適正価格や空室率予想など、物件自体の収益性を明らかにすることが今まで以上に求められるようになる。

本来であれば、融資に関して金融機関が事業採算性を吟味した上で問題点があれば融資が下りないのが普通である。今回、融資申込に関する銀行提出資料の改ざんが大きく取り上げられたので、今後は提出資料に関しても通帳原本との確認など厳正な対応が求められるでしょう。

スマートデイズの破綻はアパート・マンション経営・投資に関わる同業他社へ少なからずの影響を与えることは必至でしょう。

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