東京での2度目の五輪が2020年に開催されます。
湾岸地区では開催決定後に不動産価格が高騰し、そして開催後は暴落するという事も囁かれています。
銀座の地価はバブル期を超える高値となっています。このような状況で、今後の動向を見極めることは大変難しいことです。
街にはそれぞれ歴史があり、そして特色があることも多いです。
例えば銀座は高級だとか表参道はファッション、渋谷は若者の街とかそれぞれの色があります。
街の特色は強みでもあり弱みでもあります。
かつて秋葉原は電気街でした、高度経済成長期の日本では電化製品は経済を牽引するものでした。そして海外からの観光客がこぞって秋葉原で電化製品を購入する映像が流された時代もありました。電気街自体の風景が独特雰囲気を醸し出してもいました。
その後の秋葉原はオタクの聖地そして青果市場跡地にオフィスビルも建ち、独特のカオス感を持つ街として今日に至っています。
さらに近隣地区にマンション建設も増えて、居住する街としても発展して来ています。
秋葉原は都心に位置しており、電気の街として陰りが見えて来た際にもオフィス街として、またパソコン需要とオタク文化の重なりもあり電気街から現在のカオス状態へ上手く変遷して行きました。
平成バブル期に23区内に大学キャンパス新設が制限されていた時期がありました。しかしながら、学生数の減少とともに都心にキャンパスを持つ大学・学部に人気が集まるようになりました。
大学のキャンパスを中心に形成されている街は、大学の移転により影響を大きく受けます。
移転により居住者も減りそれに伴い商業施設も減少してしまいます。
もともと、利便性が良い場所にキャンパスを作ったのではなく街が大学にのみに依存していた場合、移転後の転用・街の存続はあまり期待できません。
街の特色は強みでもあり弱みでもあります。
特色を形成する物が維持され続ければ、それに合わせた利用により恩恵を受けられることも多いでしょう。
しかしながら、特色が衰退もしくは無くなった際には、依存が高ければ高い程痛手を受ける事でしょう。そして転用が利かないような場所なら致命的と言っていい程です。
五輪後の東京はどうなっていくのでしょうか想像してみてください。
国を挙げてインバウンドの拡大を掲げていることから、海外からの訪日客の増加が想像できます。
実際に都心部を中心にホテル等の宿泊施設建設が多くなされています。
企業の出張者が宿泊予約が取れなくて困ると言った話も耳にしたこともあります。
東京五輪前後までは恐らく訪日客は増加し、その後は世界経済の影響により左右されるでしょうが、取り組みとしては増加させる方向で動いています。
企業の社員教育の中にも、「5年後の自分」「10年後の自分」「20年後の自分」など 将来の自分を描き そのようになる為には何をいつまでに実行するかというような予想図を作ることがあるかと思います。
同様に不動産購入や投資においても未来予想は大変重要な要素です。
その土地が将来どうなるか?ということは恐らく5年10年後程度の内容なら予想済みで価格にも折り込み済みの場合がほとんどである。
但し、前述の通り 依存度の高い施設が無くなることは、その土地の価値を一変させる恐れがあることも忘れてはいけない。
地域の価値を形成する要素を分析し、その要素の変化を未来予測することと更には新たな要素が加わる可能性をも考慮することが重要になって来ます。
再開発計画を内容を見れば、いつ頃にどのような施設がどの位の規模で開発されるかが大体分かります。
オフィス棟や住居棟そして商業施設や教育機関など用途や規模もさまざまです。
それぞれの再開発計画の内容をみることも重要ですが、複数の計画が相互に作用する謂わば相乗効果についても影響を考える必要があります。
例えば、大手町・丸の内・日本橋・八重洲・京橋・銀座・新橋・虎ノ門は連続しており一体の地域としても考えられる位置関係にあります。
それぞれにオフィス・ホテルや商業施設が計画されていると思います。
人の流れが増える事でしょう、その影響がどの程度の範囲まで及ぶのかが再開発の2次効果・波及効果と言えます。
オフィス面積が増床されれば、通勤者も増えますし通勤に便利な地域に住居を求める人も増える事でしょう。
品川や渋谷・新宿・池袋などでも大小さまざまな再開発計画があります。
それらの再開発も加えて、東京全体が将来どのように変わり波及効果がどのように出てくるのかを考えることは これから今まで以上に不動産投資には重要になってくるでしょう。
東京での五輪開催を来年に控え、東京の街は大きく変化しており開催後も変わり続けることでしょう。
高度成長期の日本とは異なり、東京の街も膨張から収れんが始まっています。
マンションの高層化も手伝って通勤時間の短くて済む都心近くの地域での住宅供給数が飛躍的に増え、ドーナツ現象と言われた時代のドーナツの穴部分である都心に人口が流入しています。
この傾向は再開発計画の規模や内容を見ると暫く続くと思われます。
人口減少が東京23区でも始まった時、そこに留まる理由が少なく人が流出し始める地域では急速に寂れていく恐れがあります。
一極集中が望ましい事か否かの議論は置いといて、その流れは加速することでしょう。
資産を守る・生活を守る上で、時流を見て将来を見極めることはとても重要で、潮目を見誤ったり見逃したりしないよう普段からアンテナの感度を高めておくことが必要だと言えます。